もうすっかり秋風が吹くのに、記憶の中に君がいる。
君を最後に見たのは、きっとふた月も前の事だったと思う。
今でも暑かった夏の日を、昨日の事のように覚えてる。
今でも後悔している。
どうして、もっと早く気づけなかったのだろう・・・
僕が好きだった君の香りも、もう思い出せない。
今はきっと違う香りを、まとっているのかな・・・
君とひとつだった・・・
あの日から、記憶の中に半分だけ君がいる。
もう半分は、扉の向こう・・・
今でも、そばに感じる。
扉の向こうに君を感じる。
ねぇ、スイカ・・・
冷蔵庫の向こうで、君は僕の知らない君になってる。
そんな君が怖いんだ。
ねぇ、スイカ・・・
扉の向こうで、臆病な僕を笑っているのかな。
強くなりきれない、僕を待っているのかな。
ねぇ、スイカ・・・
今は、とうきびと寄り添ってるのかな。
いくつかの卵といるのかな・・・
ねぇ、スイカ・・・
まだ、君を捨てれずにいる。
どれだけ、暦が過ぎたろう・・・
いくつ生ごみの日をスルーしたろう・・・
きっと君は違う香りを、まとっている。
夏の思い出は今も胸に残ってる。
冷蔵庫は、まめに片付けましょう。
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